犬のアトピー性皮膚炎 – ステロイドの副作用とは?
犬がアトピー性皮膚炎にかかってしまった時、お薬を使いながら治療をしていきますよね。
その際、ステロイドが入ったお薬を処方されることが多いのではないでしょうか。
ステロイドと聞くと、副作用が心配…,なんだが怖い…と思われる方もいらっしゃると思います。
今回は、アトピー性皮膚炎の治療に使われるステロイドとその副作用についてお話します。
■アトピー性皮膚炎とは■
犬のアトピー性皮膚炎とは、
1、皮膚のバリア機能が低下する
2、アレルギーの原因となるアレルゲンが体内に入る
3、遺伝的にアレルゲンに対する反応が過剰
上記3つの条件がそろって発症する病気です。
特に遺伝的な体質=アトピー体質が関連する病気と考えられています。
■アトピー性皮膚炎が起きやすい犬種■
遺伝的にアトピー性皮膚炎にかかりやすい犬種がいます。
例えば、柴犬をはじめ、フレンチ・ブルドッグ,ジャック・ラッセル・テリア,ラブラドール・レトリバー,ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア,ワイアーヘアード・フォックス・テリアなどがかかりやすいと言われています。
また、犬のアトピー性皮膚炎は3歳未満で発症する例が多いとされています。
はじめのうちは外耳炎などを繰り返していただけだったのに、のちに皮膚炎を発症してアトピー性皮膚炎と診断されるケースもあります。
幼い頃から外耳炎を繰り返す犬では、アトピー体質を持っている可能性が高いと考えてよいでしょう。
■アトピー性皮膚炎の症状■
犬のアトピー性皮膚炎の症状として、皮膚症状は左右対称に現れるのが特徴です。
その中でもよく出やすい部分が
・指の間(前足が多い)
・目の周辺
・口の周り
・耳
・わきの下
・内また
・下腹部
・肛門周辺
・手首や足首
などがあげられます。
犬にとって、かゆみが強いため、しきりになめたりこすったり引っかいたりして、皮膚は赤くなり、毛が抜けてしまいます。
そのかゆみに対する反応から、皮膚が硬く厚くなったり(苔癬化)、皮膚の色が黒くなったりします(色素沈着)。
二次的な皮膚病にかかってしまうこともあり、その多くは湿疹がみられます。
かゆみの他にも、皮膚の乾燥、ただれや膿皮症、慢性的な外耳炎・結膜炎があげられます。
最初の頃は季節限定で症状が出ていたりするのですが、徐々に期間が長くなっていき、最終的には1年中症状がでる通年性になってしまうのがよくあるパターンです。
■アトピー性皮膚炎の治療-ステロイド―■
犬のアトピー性皮膚炎の治療として、一般的に行われている投薬がステロイド剤です。
ステロイドと聞くだけで、副作用が多くて怖いと思われる方も多いはず。
では、ステロイドの事をもっと詳しく見ていきましょう。
ステロイドとは、もともと身体の「副腎」と呼ばれる臓器の一部から産生されるホルモンです。
このホルモンの働きは、炎症を抑える,免疫を抑えるなどの作用があるため、治療薬として使用されます。
このステロイド剤には種類がいろいろありますが、アトピー性皮膚炎の治療には一般的に「プレドニゾロン錠」が多く使用されます。
■ステロイドの副作用■
ステロイド剤を使用することの副作用をあげておきます。
副作用は、短期間のうちに見られるものと、長期間投与した場合に現れる症状があります。
また、投与量や個体差によって影響される症状もあります。
―短期間投与での症状―
・食欲増進
・多飲・多尿
これらは必ず見られる症状です。
短期間なら問題ない副作用です。
―短期間投与,投与量や個体差によってみられる症状―
・嘔吐、下痢などの胃腸障害
・傷が化膿しやすいなどの感染症
犬が飲んだ薬を異物と判断してしまうために、外へ出そうと起こる胃腸障害や、免疫力を下げる作用があるために感染症にかかりやすくなってしまいます。
―長期間投与での症状―
・肥満
・筋肉の低下
・皮膚が薄くなる
・胃,十二指腸潰瘍
・肝障害
・副腎の機能低下(医原性クッシング症候群)
・糖尿病
―急に投薬を中止した場合―
・アジソン病
最悪の場合、命を落とします。
ステロイドを中止する時は徐々に投与量を減らしていく必要があります。
個人の判断で勝手に治ったからと言ってステロイドをやめてしまうのはとても危険です。
■なぜステロイドを使うのか■
たくさん副作用が発現する可能性があるステロイド。
では、なぜステロイドを使用するのでしょうか。
その理由は3つ。
1、効果が早い
2、ほぼ間違いなく効く
3、薬代が安い
犬の皮膚病の場合は、外用薬を使用してしまうと、皮膚が毛で覆われているために十分に薬を塗れない場合や、犬がなめてしまう危険性があります。
そこで内服薬のよく効くステロイドの登場となるのです。
ただし、ステロイド剤は根本的な治療薬ではありません。
原因はわからないけど、とりあえず症状を早く抑えるための薬です。
ステロイド剤と併用しながら、以下の薬や治療を行って体質改善を行う事が重要です。
「減感作療法」という、アレルギーの原因物質となるアレルゲンを特定し、それを体内に少しずつ注射していく治療。
「インターフェロン剤」を使って、体内の免疫物質のバランス(サイトカインバランス)を調整する治療。
「シャンプーや保湿のスキンケア」を行って、体についたアレルゲンの除去をして皮膚のコンディションを保つ。
ステロイド剤は副作用がありますが、上手に使用する事で、犬のかゆみの原因となるアトピー性皮膚炎の症状を和らげることができます。
怖がらず、上手に使用していきたいですね。
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